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受賞者および選考理由(2025年度) 

掲載日:2026年2月16日

受賞者

桑田 祐丞(大阪公立大学工学研究科)

対象業績

粗面・多孔質壁面乱流現象の解明及び予測モデルの提案

関連論文

(a) Y. Kuwata and Y. Kawaguchi, Direct numerical simulation of turbulence over systematically varied irregular rough surfaces, Journal of Fluid Mechanics, Vol. 862, pp. 781-815 (2019).

(b) Y. Kuwata, Dissimilar turbulent heat transfer enhancement by Kelvin–Helmholtz rollers over high-aspect-ratio longitudinal ribs, Journal of Fluid Mechanics, Vol. 952, A21 (2022).

(c) Y. Kuwata and K. Suga, Reynolds number dependence of turbulent flows over a highly permeable wall, Journal of Fluid Mechanics, Vol. 981, A3 (2024).

選考理由

粗面や多孔質面上の乱流および乱流熱伝達は,工学的に極めて重要でありながら,その複雑さゆえに本質的な理解が進んで来なかった問題であった.この問題に対して桑田氏は,複雑壁面境界の高精度な取り扱いが容易でかつ大規模並列計算に優れる格子ボルツマン法に関連する手法の開発を実施し,粗面・透過性壁面(多孔質壁面)等の複雑壁面を対象とした壁乱流の直接数値解析を世界に先駆けて数多く実施しており,主要論文3編では,半球粗度をランダムに敷き詰めた粗面を対象とした直接数値解析,粗さによって誘起されるケルビンヘルムホルツ不安定波を用いた乱流熱伝達制御,および発泡多孔質体を模擬した高透過性壁面に発達する高レイノルズ数乱流現象について報告している,このように桑田氏は複雑壁面を対象とした壁乱流の大規模数値計算により顕著な業績を挙げており,また,非相似乱流熱伝達を実現できることを示した成果は,社会的インパクトも大きい.主要論文3編の完成度は高く,研究レベルの高さを裏付けている.また,その他の研究業績も十分であり,被引用数が多いことから研究の注目度も高く,今後のいっそうの発展が期待される研究者であるといえる.

以上より,桑田氏は流体力学の研究者として極めて有望であり,日本流体力学会竜門賞にふさわしいと判断できる.