コンテンツの開始

論文賞 

流体力学の発展に大きく寄与すると認められる業績に関する中核論文の著者に授与する.

ただし,過去10年以内に発表された業績で表彰対象論文を含む3編までの論文により選考する.

応募時点で代表者は本会会員であること,代表者以外の共著者は,2023年3月31日において本会会員か,入会申込み済みであれば受賞者に含める.

なお,候補論文は,過去に受賞した竜門賞や技術賞の対象論文と異なるものとし,また,竜門賞や技術賞(共著者を含む)と同時には応募できないものとする.

受賞論文および選考理由(2021年度) 

受賞者

佐藤 允((工学院大学),岡田浩一(シーメンスPLMソフトウェア・コンピューテイショナル・ダイナミックス株式会社),浅田健吾(東京理科大学),青野 光(信州大学),野々村拓(東北大学),藤井孝藏(東京理科大学)

対象論文

Makoto Sato, Koichi Okada, Kengo Asada, Hikaru Aono, Taku Nonomura, Kozo Fujii,Unified mechanisms for separation control around airfoil using plasma actuator with burst actuation over Reynolds number range of 103–106, Physics of Fluids, Vol. 32, 025102 (2020)

選考理由

本論文は,翼回りのはく離抑制に対して,素早い応答性や省エネルギー性から実用性の高いマイクロデバイスと認知されている誘電体バリア放電(DBD)プラズマアクチュエータによる制御機構を精査している.我が国が誇るスーパーコンピュータ京を駆使することで,層流はく離から乱流はく離にわたる幅広いレイノルズ数域での高精度非定常数値解析を実行し,アクチュエータによる翼回りの境界層の発達過程や渦構造の変調への洞察を付与している.その中で,制御機構の重要な素過程がはく離せん断層の挙動にあることを突き止め,はく離境界層厚さに基づきアクチュエータの最適動作周波数を統一的に整理するとともに,その根拠を線形安定性解析により明示している.DBDプラズマアクチュエータによるはく離制御機構に注目し,著者らの研究グループにおいて現象の解明から制御機構の構築までを遂行していることが評価される.既往の関連研究への丁寧な調査とともに研究の位置づけを明確に示しており論文としての高い完成度も認められる.アクチュエータの最適動作周波数など,翼回りのはく離抑制機構に関する指針を提唱するものであり,高レイノルズ数条件下で運用される輸送機器の効率化など,流体工学分野に関する実社会への貢献も期待されるものである.

過去の受賞論文 

・ 2020年度受賞論文
R. X. Suzuki, Y. Nagatsu, M. Mishra, and T. Ban, "Phase separation effects on a partially miscible viscous fingering dynamics," J. Fluid Mech., Vol. 898, A11, (2020)
・ 2019年度受賞論文
該当なし
・ 2018年度受賞論文
該当なし
・ 2017年度受賞論文
該当なし
・ 2016年度受賞論文
該当なし
・ 2015年度受賞論文
該当なし
・ 2014年度受賞論文
該当なし
・ 2013年度受賞論文(1)
S. Kida: “Steady flow in a rapidly rotating sphere with weak precession", Journal of Fluid Mechanics, Vol. 680, pp. 150—193 (2011).
・ 2013年度受賞論文(2)
K. Ishimoto and M. Yamada: “A coordinate based proof of the scallop theorem", SIAM Journal on Applied Mathematics, Vol. 72, No.5, pp. 1686-1694 (2012).
・ 2012年度受賞論文
Koji Fukagata, Kaoru Iwamoto and Nobuhide Kasagi, "Contribution of Reynolds stress distribution to the skin friction in wall-bounded flows", Physics of Fluids, Vol.14, L73-L76, (2002).
・ 2011年度受賞論文
Y. Kaneda, T. Ishihara, M. Yokokawa, K. Itakura, and A. Uno, “Energy dissipation rate and energy spectrum in high resolution direct numerical simulations of turbulence in a periodic box,” Physics of Fluids, Vol. 15, L21 - L24 (2003).
・ 2008年度受賞論文
Y. Morinishi, T. S. Lund, O. V. Vasilyev and P. Moin, "Fully Conservative Higher Order Finite Difference Schemes for Incompressible Flow", J. Comput. Phys. Vol.143, pp.90-124 (1998).
・ 2007年度受賞論文
Ryoichi Kurose & Satoru Komori: “Drag and lift forces on a rotating sphere in a linear shear flow,” J. Fluid Mech., 384, 183-206 (1999).