流体力学の知見に基づく画期的かつ実用化された技術(製品やソフトウェアも含む)を開発したと認められる個人もしくは代表者とそのグループに授与する.ただし,過去10年以内に発表された技術を対象にする.自薦の場合には,応募時点で代表者は会員であること,他薦の場合には,推薦者が本会員であれば応募者は会員である必要はない.
内田 孝紀(九州大学) 谷山 賀浩(東芝エネルギーシステムズ㈱),吉田 忠相(日立造船㈱),乾 真規(日立造船㈱)
洋上ウィンドファームの採算性と耐久性の評価に資する風車ウエイクモデルの研究開発と社会実装
申請者らは,日本の洋上風力発電向けに新しい風車ウェイクモデルを開発した.このモデルは実際の風力発電所でのデータを用いて正確さが検証され,国際的誌に掲載され,特許を出願している.また、この技術を製品化し,申請者らが立ち上げたベンチャー企業を通じて,大手メーカーや大型国家プロジェクトをはじめ200以上のユーザを獲得している.先行する欧米発の技術に対して低風速領域の予測における技術的優位性が明確であること,本ソフト利用による設備利用率向上によりサイト年間当たり8億円以上の経済的メリットが見込まれることなど,ウィンドファーム開発において標準的な開発ソフトとして活用されている現状は,技術賞で要求される社会実装に関する基準に達していると判断される.